【開業医・医療法人専門税理士解説】開業医のよくある失敗事例3選

この記事の監修者

中込政博
税理士法人シーガル
代表社員 税理士・公認会計士

あずさ監査法人・辻本郷税理士法人を経て、医療専門の税理士法人シーガルを設立。
税金に関する相談はもちろんのこと、公認会計士ですので、医業経営についてもぜひご相談ください!

遠藤大樹
税理士法人シーガル
代表社員 税理士

医療特化会計事務所・税理士法人山田&パートナーズを経て、医療専門の税理士法人シーガルを設立。
医師・歯科医師に対する税務顧問の他、相続税申告や相続対策・医業承継も対応できます!

茅ヶ崎駅から徒歩4分の個人開業医・医療法人専門の税理士法人シーガルです。

開業医として成功している医師や歯科医師の方がいる一方で、最近では失敗事例も多く聞くようになりました。


中には、「借金をしてリスクを取って開業したのに、勤務医時代と比べて自分のお金は増えていない」という医師や歯科医師の方もいます。

そこで今回は、開業医のよくある失敗事例3選について解説していきます。

この記事は次の方にオススメです。

・これから開業する予定だが失敗したくない医師や歯科医師の方

もくじ

開業コンサルタントに言われるがまま開業したケース

医師や歯科医師は日々の診療が忙しいため、「開業に関することは開業コンサルタントに全て任せてしまおう!」と考えている方も多いのではないのでしょうか

開業する医師や歯科医師の8割が開業コンサルタントのサポートを受けていると思います。

しかしながら、開業コンサルタントに言われるがまま、全てを決めてしまうのは大変危険です。

私の感覚では、開業コンサルに全てをお任せして順調にクリニック経営が進むのは10人に1人ぐらいではないでしょうか。

開業コンサルの中には紹介料目当てに提携の不動産会社のテナントしか紹介しない人や、提携の医療機器メーカーの医療機器しか紹介しない人がいるため、開業費用が想像以上に割高になっていることが多いです。

私が以前相談を受けた東京都のT医師の事例をご紹介いたします。

T医師はご家族に開業医が多く、自分もちゃんと経験を積めたら独立開業したいと考えておりました。

普段の診療で多忙であることから、インターネットで検索した開業コンサル会社に相談してみたところ、親身になって話を聞いていただけたので、その開業コンサル会社に開業全てお任せすることに決め、契約も結びました。

相談から1ヶ月もしないうちに、担当者から「よい物件が見つかりました!」と連絡があり、実際に物件を見に行ったところ、たしかに駅前にあり人通りもある良い物件でしたがT医師の想定する賃料よりも1.8倍ほど高い賃料でした。

T医師は「賃料が高すぎるのですが、他にないですか?」と聞いてみましたが、担当者は「こんな良い物件はそうそう出ないので、数日後には埋まっている可能性すらあります!高い賃料は広告費のようなものなので、集患で補うこともできます!」とあまりにも強く言うので、T医師も担当者の言葉を信じ、その物件で開業することを決めました。

開業したその診療所は、好立地であるため集患はそこまで困りませんでしたが、賃料は割高であることは明白でした。

T医師は折角リスクを取って開業したのに、賃料が割高なのでT医師個人の収入は勤務医時代と大きく変わらないという結果になってしまいました。

開業コンサルタントに頼まないほうが良いとお伝えしたい訳ではありません。

信頼できる開業コンサルタントと契約できるように慎重に検討することが必要です。

集患がうまく行かず事業が軌道に乗らないケース

数十年前と比べて診療所の数も増えていますので、医師や歯科医師が開業したからといって患者さんが続々とくる時代ではなくなっております。

地域住民に認知されるのには時間がかかりますが、開業前に想定していた患者数を集患できていない場合には、すぐに対策が必要です。


私が今まで色々な診療所・クリニックを見てきた経験から集患がうまく行かないクリニックの特徴は大きく3つあると考えています。

インターネットを活用しておらず地域住民に認知されていない

現在は、日本の人口の80%がスマートフォンを持っているとの統計があり、体調が悪くなった患者さんはスマートフォンを使って近くの診療所・クリニックを探すと考えられます。

そういった場合に、ホームページを持っていなかったり、スマートフォンの各種マップアプリで自院の情報が載っていないとすると、それだけで患者さんから認知されず来院する可能性を減らしているのです。

参考 総務省 公表 令和4年通信利用動向調査

クリニックの差別化ができていない

診療所の数は年々増えていることから、どこで開業しても競合医院はある状況だと思います。

そういった状況では、他の競合医院との差別化がとても大事になってきます。

数多くある選択肢の中から、患者さんから「この○○クリニック・診療所で診てもらいたい!」と思ってもらえるようにするには、医師や歯科医師の人柄、診療コンセプト、診療時間の強みが必要になってきます。

以下は強みの一例になりますので、参考にしてください。

  • 広い駐車場があり車での来院が可能
  • 専用Wi-Fiやウォーターサーバー完備により快適な待合室を提供
  • 完全予約制により待ち時間が少ない

スタッフの対応が悪い

あくまで病院の統計ですが、病院を選んだ理由として外来では15%の人が「医師や看護師が親切」という理由で病院を選んでいるようです。つまり、医師や看護師の対応が悪いとそれだけで患者さんが来院しなくなるということです。

患者さんとコミュニケーションを取らず流れ作業のように受付や診療していたり、スタッフが私語をしていたり、看護師が注射が痛いことを当たり前と思っていたりすると、患者さんは「スタッフの対応が悪い」と感じてしまい継続して来院しなくなってしまいます。

参考 厚生労働省 公表 令和2年受療行動調査

医療に強くない税理士に相談してしまったケース

医師や歯科医師の方は医療には優れていると思いますが、財務や税金の経験が無いことから詳しくない方がほとんどだと思います。

そういった場合に、財務や税金のプロとして税理士と顧問契約を結んで相談することが多いのではないでしょうか。

実は、医師や歯科医師それぞれに診療科目や得意としている治療・診療があるように、税理士にも専門の業種・税金があります。

医療業界というのは他の業種と比較して特殊な業界であることから、医療業界に詳しくない税理士に相談しても的を得た回答を得られないことも多いです。

例えば、医療業界に詳しくない税理士の場合には医療法人化手続きについて知識が乏しいため、個人開業医として開業している医師や歯科医師の所得がいくら以上であれば医療法人化すべきなのか分からず、適切なタイミングで医療法人化できないということが有り得ます。

単に税金計算できる税理士ではなく、開業支援・医療法人化までトータルサポート可能な医療に強い税理士に相談するようにしましょう。

まとめ

今回は、開業医のよくある失敗事例3選について書きました。

どれも事前に知っておけば対応可能なことばかりですので、しっかり覚えておいて頂けたらと思います。

私たち医師・歯科医師専門の税理士法人シーガルは税務顧問業務のほか、医院経営に関するご相談、医療法人化、相続対策、事業(医業)承継対策も対応可能です。

ご興味をもっていただけましたら、ぜひご相談ください。

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