【医療専門税理士解説】医療法人の監事は誰に頼む?親族でも問題ない?
この記事の監修者
中込政博
税理士法人シーガル
代表社員 税理士・公認会計士

あずさ監査法人・辻本郷税理士法人を経て、医療専門の税理士法人シーガルを設立。
税金に関する相談はもちろんのこと、公認会計士ですので、医業経営についてもぜひご相談ください!
遠藤大樹
税理士法人シーガル
代表社員 税理士

医療特化会計事務所・税理士法人山田&パートナーズを経て、医療専門の税理士法人シーガルを設立。
医師・歯科医師に対する税務顧問の他、相続税申告や相続対策・医業承継も対応できます!
茅ヶ崎駅から徒歩4分の個人開業医・医療法人専門の税理士法人シーガルです。
医療法人の場合、「監事」を必ず置かなければなりませんが、監事というのがどういうものなのか、誰に頼めばよいのか、報酬相場はあるのかを疑問に思っている先生が多いのではないのでしょうか。
そこで、この記事では、監事とは、監事になれない人、誰に頼めばよいか、報酬相場について解説していきます。
この記事は次の方にオススメです。
・監事の人選に困っている方
・監事の報酬相場が知りたい方
監事とは
監事の役割は監査機関
社団医療法人の場合には、社員・理事・監事を置くことが求められており、それぞれの関係は以下の図で表すことができます。

監事が監査機関であることについては、医療法第46条の8においても明確に定められています。
【医療法第46条の8】
一 医療法人の業務を監査すること。
医療法第46条の8
二 医療法人の財産の状況を監査すること。
三 医療法人の業務又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、当該会計年度終了後三月以内に社員総会又は評議員会及び理事会に提出すること。
四 第一号又は第二号の規定による監査の結果、医療法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくは定款若しくは寄附行為に違反する重大な事実があることを発見したときは、これを都道府県知事、社員総会若しくは評議員会又は理事会に報告すること。
五 社団たる医療法人の監事にあつては、前号の規定による報告をするために必要があるときは、社員総会を招集すること。
六 財団たる医療法人の監事にあつては、第四号の規定による報告をするために必要があるときは、理事長に対して評議員会の招集を請求すること。
七 社団たる医療法人の監事にあつては、理事が社員総会に提出しようとする議案、書類その他厚生労働省令で定めるもの(次号において「議案等」という。)を調査すること。この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を社員総会に報告すること。
八 財団たる医療法人の監事にあつては、理事が評議員会に提出しようとする議案等を調査すること。この場合において、法令若しくは寄附行為に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を評議員会に報告すること。
簡単にいうと、監事は医療法人の運営や資金の状況を厳しくチェックすることが求められているのです。
監事の任期・人数
監事の任期は2年を超えることはできませんが、再任が可能です。
また、監事の人数(定数)は1人以上であることが必要です。
【医療法第46条の5】
1 医療法人には、役員として、理事三人以上及び監事一人以上を置かなければならない。ただし、理事について、都道府県知事の認可を受けた場合は、一人又は二人の理事を置けば足りる。
医療法第46条の5
…
9 役員の任期は、二年を超えることはできない。ただし、再任を妨げない。
監事になれない人
監事には監査機関として医療法人の運営や資金の状況を厳しくチェックすることが求められているため、監事になることができない人が定められています。
以下は、監事になることができない場合の例示です。(都道府県により取り扱いが若干異なる場合があります。)
- 医療法人の理事又は職員
- 社団医療法人の場合に医療法人に拠出している個人
- 医療法人と取引関係や顧問関係にある個人、法人の従業員
- 成年被後見人又は保佐人
- 法人
- 医療法や医師法などその他の医事に関する法律で定める規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行終了後またはその執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過していない者
- 医療法人の理事の3親等以内の親族や姻戚関係のある者
そのため、親族は監事になることができません。
インターネットで検索すると、「監事については社員から選任します」と書いてある記事もありますがそれは誤りで、監事は社員の中から選任する必要はありません。
誰に頼めばよいか
「監事になれない人」に挙げた人以外であれば監事になることができます。
私が過去担当してきた医療法人のお客様では以下のような方々が監事になるケースが多いです。
- 理事長や理事の友人
- 大学時代の同級生、先輩、後輩
- 医師・歯科医師仲間
- 顧問以外の弁護士、公認会計士、税理士
あくまでも個人的な意見ではありますが、友人や知人が監事に就任した場合に厳しくチェックすることができるとは思えませんので、友人や知人を監事に就任させることをオススメしておらず、弁護士・公認会計士・税理士などの専門家を監事に就任させることをオススメしています。
理事が違反行為をした場合には、監事も責任を負う必要がありますので、人選びはよく考えてください。
監事の報酬相場
監事の報酬については取り決め次第であり、ゼロ円でも可能です。
私の経験では監事を友人や知人に頼む場合ですと無償のケースが多いです。
第三者である弁護士・公認会計士・税理士に依頼する場合には、医療法人の規模にもよりますが概ね月額5万円から10万円の報酬が相場になると思います。
まとめ
医療法人の場合には監事を1人以上は置かなければならないのに、監事になれない人の範囲が思ったよりも広く、人選に苦労されている場合が多いです。
監事は監査機関として厳しくチェックすることが役割ですので、本来的には知人や友人を監事にすべきでないと思っています。
医師・歯科医師専門の税理士法人シーガルの代表税理士である中込は公認会計士の資格も持っており、大手上場企業に対する監査業務の知識・経験も沢山あります。
監事の人選に苦労されており、第三者の目線で厳しくチェック、時には経営参謀としてアドバイスがほしいとお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。
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