2026.5.20
介護医療院はなぜ赤字になる?病院併設で見る7つの数字
「介護医療院の入所率は悪くないのに、思ったほど利益が残らない」
「病院本体と介護医療院の損益が混ざっていて、採算が見えにくい」
「老健や在宅クリニックも含めて、法人全体の数字を月次で見たい」
介護医療院を運営する医療法人では、このような悩みが出ることがあります。
介護医療院は、医療と介護の両方を必要とする要介護高齢者のための長期療養・生活施設です。日常的な医学管理や看取り・ターミナルケアに対応しながら、生活施設としての役割も持つ施設です。厚労省は、介護医療院について、単なる療養病床等からの移行先ではなく、「住まいと生活を医療が支える新たなモデル」として創設されたものと説明しています。
ただし、介護医療院は「作れば安定して黒字になる施設」ではありません。平均では黒字に見えるデータがあっても、施設ごとに見ると赤字施設も少なくありません。WAMの2024年度介護医療院の経営状況では、同一施設比較でⅠ型の赤字施設割合が45.8%、Ⅱ型の赤字施設割合が50.0%と示されています。
結論からいうと、介護医療院は入所率だけでは採算を判断できません。
利用者単価、加算、人件費率、給食材料費・委託費、改修費、借入返済、本部費配賦まで見ないと、実態を見誤りやすい事業です。
本記事では、介護医療院が赤字になる主な理由と、病院併設の医療法人が見るべき7つの数字を解説します。あわせて、マネーフォワードクラウド会計とBixidを使った月次管理の進め方も整理します。
介護医療院はなぜ赤字になる?結論

介護医療院が赤字になる理由は、単に入所者が少ないからとは限りません。
入所率が高くても、利用者単価が低い、人件費率が高い、加算を十分に算定できていない、給食材料費や委託費が重い、改修費や借入返済が大きい、本部費配賦が整理されていない、といった要因が重なると、利益は残りにくくなります。
入所率だけでは採算は見えない
介護医療院では、入所率が高ければ安心というわけではありません。
たとえば、入所率が高くても、次のような状況であれば赤字になりやすくなります。
利用者単価が低い
加算を十分に算定できていない
人件費率が高い
給食材料費や委託費が増えている
改修費や設備投資の返済が重い
本部費の配賦が曖昧になっている
逆に、入所率が少し低くても、利用者単価や加算の状況、費用管理が整っていれば、採算を維持できることもあります。
そのため、介護医療院の経営管理では、「入所率=採算」ではないという前提を持つことが大切です。
病院・老健・在宅とあわせて見る必要がある
介護医療院は、単体で完結する施設ではありません。
病院からの退院導線、老健との役割分担、在宅クリニックや訪問看護との連携、法人本部の人事・経理・採用・情報システムの共通費まで関係します。
そのため、介護医療院の経営管理では、介護医療院単体の損益だけでなく、次のような単位で数字を見る必要があります。
部門 | 見るべき内容 |
|---|---|
病院 | 入院・外来の収益性、退院導線、医療機能 |
介護医療院 | 入所率、利用者単価、人件費率、加算、委託費 |
老健 | 在宅復帰支援、介護医療院との役割分担 |
在宅クリニック | 訪問件数、医師・看護師の配置、在宅支援体制 |
法人本部 | 人事、経理、採用、情報システム、本部費配賦 |
介護医療院の採算は、法人全体の中でどの役割を担うかによって変わります。だからこそ、病院・老健・在宅・法人本部を分けて見る部門別損益管理が重要です。
介護医療院とは?経営管理上の位置づけ
この記事では、介護医療院の制度説明を長くは扱いません。
ただし、経営管理を考えるうえで、介護医療院がどのような施設なのかは最低限押さえておく必要があります。
医療と介護をあわせ持つ長期療養施設
介護医療院は、医療と介護の両方を必要とする要介護高齢者のための施設です。
厚労省は、介護医療院について、医療提供施設としての側面を持ちながら生活施設としての役割を果たす施設と説明しています。施設類型としては、介護療養病床相当のⅠ型と、老人保健施設相当以上のⅡ型が設けられています。
介護医療院は、特養、老健、病院と似ている部分もありますが、役割は異なります。
施設 | 主な役割 |
|---|---|
病院 | 医療提供、治療、急性期・慢性期の医療 |
老健 | 在宅復帰支援、リハビリ |
特養 | 生活施設、介護中心 |
介護医療院 | 医療管理、長期療養、生活の場、看取り |
介護医療院は、単なる介護施設ではなく、医療ニーズを持つ要介護高齢者の生活を支える施設です。
介護医療院は、病院・老健・在宅と数字が混ざりやすい
介護医療院は、単体で採算を見にくい事業です。
特に同じ医療法人の中に、病院、老健、在宅クリニック、訪問看護、法人本部がある場合、介護医療院の人件費、設備費、委託費、本部費が他部門と混ざりやすくなります。
費用が病院本体に残っていれば、介護医療院の採算は実態より良く見えることがあります。反対に、本部費を根拠なく重く配賦すれば、介護医療院の採算は実態より悪く見えることもあります。
そのため、介護医療院の経営管理では、介護医療院単体の数字だけでなく、病院・老健・在宅・法人本部との関係を整理しながら、部門別損益を月次で確認することが大切です。
厚労省・WAMデータで見る介護医療院の経営状況

介護医療院の経営管理を考えるうえでは、まず平均的な経営状況を押さえておくと、自法人の数字を比較しやすくなります。
ただし、平均値だけで判断するのは危険です。
介護医療院は、施設ごとの状況によって採算が大きく変わる事業だからです。
厚労省調査では収支差率が低下している
厚労省の令和7年度介護事業経営概況調査では、介護医療院の税引前収支差率は、物価高騰対策関連補助金を含まないベースで、令和5年度決算4.2%、令和6年度決算3.5%と示されています。前年度から0.7ポイント低下しています。
平均では黒字に見えても、収支差率は低下しています。介護医療院は安定収益事業に見えやすいですが、人件費、給食材料費、委託費、水道光熱費、改修費、借入金利息、本部費繰入まで含めると、余裕のある事業とは言い切れません。
収支差率には借入金利息や本部費繰入も含まれる
厚労省の資料では、介護サービスの支出額について、介護事業費用、借入金利息、本部費繰入の合計額と説明されています。本部費繰入は、各事業所に共通する人事労務経理に係る経費等に充てられるものとされています。
これは、介護医療院の経営管理にとって重要です。
介護医療院の採算を見るときは、現場で発生している人件費や給食材料費だけでは足りません。借入金利息や本部費繰入まで含めて見ないと、実態に近い採算は見えません。
特に、病院・介護医療院・老健・在宅クリニックを同じ医療法人で運営している場合、法人本部の人事・経理・採用・情報システムの費用をどこに配賦するかで、介護医療院の損益は大きく変わります。
本部費配賦の考え方については、関連記事の病院医療法人の本部費配賦とは?拠点別損益の見える化を徹底解説もあわせてご覧ください。
WAMデータでは赤字施設割合も高い
WAMの2024年度介護医療院の経営状況では、同一施設比較で、Ⅰ型の赤字施設割合が45.8%、Ⅱ型の赤字施設割合が50.0%と示されています。平均では黒字でも、実際には赤字施設の割合がかなり高いことがわかります。
また、WAMのプレスリリースでは、Ⅰ型・Ⅱ型いずれも赤字施設のほうが入所利用率が低く、黒字施設では2024年度介護報酬改定で新設された加算や介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)を算定している施設の割合が高いとされています。
つまり、介護医療院では、単に平均値を見るだけでは不十分です。
見るべきなのは、次のような自法人の数字です。
入所率
空床日数
利用者単価
加算算定状況
人件費率
給食材料費・委託費
借入返済
本部費配賦
介護医療院は「作れば安定」ではない
介護医療院は、地域にニーズがある施設です。医療と介護の両方を必要とする高齢者の受け皿として、重要な役割があります。
ただし、介護医療院は作れば安定して黒字になる施設ではありません。
入所率が下がれば固定費が重くなります。
人件費率が高ければ利益は残りにくくなります。
改修費や借入返済が重ければ、損益では黒字でも現預金が残らないことがあります。
本部費配賦が曖昧であれば、介護医療院の実態損益は見えにくくなります。
そのため、介護医療院は、年1回の決算だけではなく、月次で経営管理を行うことが大切です。
介護医療院の採算を、どこから整理すべきか確認したい方へ
介護医療院は、平均の収支差率だけでは採算を判断しにくい事業です。
入所率、人件費率、加算算定状況、改修費、本部費配賦まで含めて、自法人の数字を確認する必要があります。
病院・老健・在宅とあわせて、介護医療院の損益をどこから整理すべきか確認したい方は、無料の初回面談をご利用ください。

介護医療院で見るべき7つの数字

介護医療院の経営管理では、次の7つの数字を見ることが重要です。
単に入所率だけを見るのではなく、収入、費用、投資、本部費、資金繰りまで一体で見ます。
1. 入所率・空床日数
入所率は、介護医療院の基本指標です。ただし、入所率だけを見るのではなく、空床日数も確認します。
たとえば、月末時点の入所率は高くても、月中で空床が多ければ収入は落ちます。また、退所後に次の入所者をどれだけ早く受け入れられるかによって、月次の収入は変わります。
確認したいのは、次のような項目です。
月次の入所率
空床日数
入退所数
病院から介護医療院への入所導線
地域連携室や退院調整との連携
相談員の動き
WAMの資料でも、赤字施設のほうが入所利用率が低いと整理されています。介護医療院の採算では、まず入所率と空床日数を押さえる必要があります。
2. 利用者単価・要介護度
入所率が同じでも、利用者単価が違えば収入は変わります。
介護医療院では、Ⅰ型・Ⅱ型、要介護度、医療処置、加算の取得状況によって単価が変わります。そのため、入所率だけでなく、1人あたりの利用者単価を月次で見る必要があります。
WAMの2024年度資料では、利用者単価はⅠ型17,347円、Ⅱ型15,082円と示されています。
見るべき項目は、次の通りです。
1人1日あたりの利用者単価
要介護度
医療処置の必要度
Ⅰ型・Ⅱ型の構成
加算の取得状況
利用者構成の変化
入所率が高くても、利用者単価が下がれば収入は伸びません。介護医療院の採算を見るときは、入所率と利用者単価をセットで見ることが大切です。
3. 加算算定状況
介護医療院では、加算の有無が収入に影響します。
ただし、加算は取ればよいというものではありません。加算を取るには、体制整備、記録、職員配置、現場の運用が必要です。収入増と現場負担が見合っているかを確認する必要があります。
確認したいのは、次のような点です。
取得している加算
取り漏れている加算
加算算定に必要な体制
記録業務の負担
現場負担と収入増のバランス
WAMのプレスリリースでは、黒字施設では2024年度介護報酬改定で新設された加算や介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)を算定している施設割合が高いと整理されています。
加算算定状況は、単なる請求事務の話ではありません。介護医療院の経営管理では、収入改善と人員配置をつなぐ重要な指標です。
医療法人全体の賃上げや人件費管理については、医療法人の人件費率相場と賃上げのポイントや、ベースアップ評価料と賃上げ税制の対応も参考になります。
4. 人件費率
介護医療院は、人件費率が重い事業です。
看護職、介護職、医師、リハ職、栄養管理、夜勤体制など、医療と介護の両方の機能を持つため、人員配置が重くなりやすいです。
WAMの2024年度資料では、人件費率はⅠ型60.8%、Ⅱ型58.7%と示されています。
介護医療院で見るべき人件費のポイントは、次の通りです。
人件費率
職種別人件費
夜勤体制
介護職員の配置
看護職員の配置
処遇改善の影響
派遣・紹介会社への依存度
入所率や利用者単価が少し下がるだけでも、固定的な人件費が利益を圧迫しやすくなります。
人件費率は、年1回ではなく、月次で確認する必要があります。
5. 給食材料費・委託費・水道光熱費
介護医療院では、給食材料費、委託費、水道光熱費も損益に大きく影響します。
特に近年は、食材費、光熱費、人件費、委託費の上昇が続いており、入所率が安定していても費用増で利益が圧迫されることがあります。
WAM資料でも、Ⅰ型では費用増加により経営状況が悪化したと推察され、給食材料費率や水道光熱費率などの上昇にも触れられています。
確認したい費用は、次の通りです。
給食材料費
給食委託費
清掃委託費
リネン費
水道光熱費
修繕費
医療材料費
システム利用料
病院併設の場合、これらの費用が病院本体に埋もれてしまうことがあります。介護医療院の採算を見るなら、介護医療院に直接ひもづく費用は、できるだけ部門別に把握することが大切です。
6. 改修費・減価償却・借入返済
介護医療院への転換や新設では、改修費や設備投資が発生します。
たとえば、次のような支出です。
居室改修
介護浴槽
ナースコール
見守りシステム
空調設備
給排水設備
介護・医療機器
建物修繕
これらの投資は、損益計算書では減価償却費として計上されます。一方で、借入返済元本は損益計算書には費用として出ませんが、現預金は確実に減ります。
そのため、介護医療院の資金繰りを見るときは、次の式でざっくり確認するとわかりやすいです。
税引後利益+減価償却費−借入返済元本−設備投資の自己資金負担+新規借入 ≒ 簡易的な現預金増減
介護医療院が黒字でも、借入返済や改修費の自己資金負担が重ければ、現預金は増えにくくなります。
設備投資や資金繰りの考え方は、病院向けの記事である病院の高額医療機器更新はいつ?融資・補助金・資金繰りの考え方も参考になります。大型投資に伴う消費税負担については、病院の控除対象外消費税とは?黒字でもお金が残らない理由を解説もあわせて確認できます。
7. 本部費繰入・本部費配賦
介護医療院の損益は、本部費の扱いで変わります。
厚労省の収支差率の定義でも、支出額には本部費繰入が含まれています。
病院、介護医療院、老健、在宅クリニックを同じ法人で運営している場合、次のような費用をどこに負担させるかが重要です。
法人本部の人件費
経理・総務の費用
人事・採用費
情報システム費
役員報酬
顧問料
共通の広報費
本部管理費
本部費を介護医療院に載せないと、介護医療院の採算が良く見えすぎることがあります。逆に、本部費を雑に配賦しすぎると、介護医療院の採算が悪く見えすぎることもあります。
本部費配賦は、介護医療院の経営管理でかなり重要な論点です。関連する考え方は、病院医療法人の本部費配賦とは?拠点別損益の見える化を徹底解説でも詳しく解説しています。
介護医療院の数字は、病院本体に埋もれやすい

介護医療院を病院に併設している場合、介護医療院単体の損益は見えにくくなりがちです。
令和6年度調査では、介護医療院は「病院を併設」が69.1%と最も高く、病院との関係が強い施設であることがわかります。
病院併設だからこそ、介護医療院の数字は意識して分ける必要があります。
病院と介護医療院の費用が混ざる
病院併設の介護医療院では、次のような費用が混ざりやすくなります。
職員人件費
建物関連費
修繕費
水道光熱費
情報システム費
給食・清掃・リネン費
採用費
本部管理費
これらが病院側に残っていると、介護医療院の採算が良く見えすぎることがあります。
反対に、本部費や共通費を根拠なく重く載せすぎると、介護医療院が悪く見えすぎることもあります。
部門別損益を見ないと、改善ポイントがわからない
介護医療院の採算が悪いときに、部門別損益がなければ、どこに原因があるのかわかりません。
原因は、次のどれかかもしれません。
入所率が低い
利用者単価が低い
加算の取り漏れがある
人件費率が高い
給食材料費が上がっている
本部費配賦が重い
改修費や借入返済が重い
部門別損益を見れば、改善すべきポイントが見えやすくなります。
シーガルではマネーフォワードクラウド会計とBixidで月次管理を行っています

介護医療院の採算を見える化するには、会計データを部門別に整理し、そのうえで経営管理資料として月次で確認できる仕組みが必要です。
シーガルでは、クラウド会計としてマネーフォワードクラウド会計を導入しています。また、Bixidを使ってすべてのお客様の経営報告・予実管理を行っています。
まずマネーフォワードクラウド会計で部門別に会計データを整える
介護医療院の採算を見える化するには、まず会計データを部門別に整理する必要があります。
マネーフォワードクラウド会計の部門別集計表では、貸借対照表・損益計算書・製造原価報告書の残高を部門ごとに確認できます。
介護医療院を持つ法人では、たとえば次のように部門を分けると管理しやすくなります。
部門 | 見る目的 |
|---|---|
病院 | 入院・外来の損益を見る |
介護医療院 | 入所率・人件費・委託費を見る |
老健 | 介護医療院との採算比較を見る |
在宅クリニック | 訪問件数・人員配置を見る |
法人本部 | 人事・経理・採用・共通費を見る |
部門を分けることで、介護医療院の損益が病院本体に埋もれにくくなります。
直課できる費用は、介護医療院へ直接計上する
部門別損益を使える数字にするには、直課できる費用を介護医療院へ直接計上することが大切です。
たとえば、次のような費用です。
介護医療院の職員人件費
給食材料費
リネン費
医薬品・医療材料
修繕費
介護浴槽や見守りシステムの費用
介護医療院専用の委託費
直課できる費用をすべて本部費や病院側に残してしまうと、介護医療院の採算は正しく見えません。
Bixidで経営報告・予実管理を行う
シーガルでは、Bixidを使ってすべてのお客様の経営報告・予実管理を行っています。
Bixidは、経営の見える化、月次報告、予算管理、資金繰り、借入金管理、KPI管理などに対応する経営支援クラウドです。Bixidでは、毎月の経営状況をPL・BS・CFでビジュアル表示し、資金繰りや借入金管理、KPI管理などに対応すると案内されています。
介護医療院の経営管理では、月次で次のような内容を確認します。
入所率
空床日数
利用者単価
加算算定状況
人件費率
給食材料費・委託費
本部費配賦
借入返済
月末現預金
予算と実績の差
Bixidを使うことで、決算書だけでは見えにくい介護医療院の月次状況を、経営報告として確認しやすくなります。
以下はBixidによる経営報告資料・予実管理資料のサンプルです。

共通費はBixidで配賦ルールを決めて管理する
介護医療院を含む複数部門を持つ法人では、本部費や共通費の配賦が重要です。
Bixidの部門配賦調整では、配賦元部門を選び、その部門の各科目の数値をどの基準や割合で配賦するかを設定できます。
配賦基準の例は、次の通りです。
費用 | 配賦基準の例 |
|---|---|
人事・労務 | 職員数 |
経理・総務 | 仕訳数、職員数、収入規模 |
情報システム | ID数、端末数 |
建物共通費 | 面積 |
採用費 | 採用対象部門、職員数 |
役員報酬・顧問料 | 役割、収入規模、職員数 |
配賦ルールが曖昧だと、介護医療院の採算は見えにくくなります。逆に、配賦ルールを整えると、病院・介護医療院・老健・在宅・法人本部の数字を比較しやすくなります。
KPIは会計データと並べて管理する
介護医療院の経営管理では、会計データだけでは不十分です。
Bixidでは、KPI管理、コメント・ToDo、月次報告レポートなどに対応しているため、会計データと業務指標をあわせて確認しやすくなります。
介護医療院で管理したいKPIは、次のようなものです。
入所率
空床日数
利用者単価
要介護度
加算算定率
人件費率
入退所数
相談件数
月末現預金
会計データとKPIを並べて見ることで、介護医療院の採算が悪化している理由を把握しやすくなります。
月次管理は、ツールを入れるだけでは完成しません
Bixidやマネーフォワードクラウド会計を導入しても、部門設計や配賦ルールが整理されていないと、介護医療院の実態は見えにくくなります。
病院・介護医療院・老健・在宅までまとめて数字を見たい方は、医療専門の税務顧問サービスをご覧ください。
介護医療院の月次報告に入れたい項目

介護医療院の経営管理では、毎月見る資料を決めておくことが大切です。
おすすめは、会計データと現場KPIを一緒に確認することです。損益だけを見ても、なぜ利益が出ているのか、なぜ利益が落ちているのかはわかりません。
月次資料に入れたい項目
介護医療院の月次報告では、次の項目を確認します。
区分 | 見る項目 |
|---|---|
稼働 | 入所率、空床日数、入退所数 |
単価 | 利用者単価、要介護度、加算 |
費用 | 人件費、給食材料費、委託費、水道光熱費 |
投資 | 改修費、設備、減価償却 |
資金繰り | 借入返済、補助金、月末現預金 |
共通費 | 本部費繰入、本部費配賦 |
KPI | 入所率、人件費率、加算算定率、空床日数 |
このような月次資料があれば、介護医療院の採算を感覚ではなく数字で確認できます。
数字を見るだけでなく、原因と対策を残す
月次報告では、数字を見るだけで終わらせないことが大切です。
たとえば、次のような変化があった場合、原因と次月の対応を記録します。
入所率が下がった
空床日数が増えた
人件費率が上がった
給食材料費が増えた
加算が取れていない
借入返済で現預金が減った
本部費配賦後の利益が想定より低い
数字を見て終わるのではなく、原因を確認し、次のアクションにつなげることが月次管理の目的です。
介護医療院の経営は、法人全体で見る
介護医療院は、単体で採算を判断しにくい事業です。
病院、老健、在宅クリニック、訪問看護、法人本部とつながっているため、法人全体の機能分担の中で見る必要があります。
介護医療院単体ではなく、病院・老健・在宅とセットで見る
介護医療院の経営を考えるときは、次のような関係を見ます。
病院からの退院導線
老健との住み分け
在宅復帰や看取りの役割
訪問看護との連携
在宅クリニックとの関係
法人本部の共通費
借入返済や設備投資
部門別損益
介護医療院だけを見ると、法人全体の中での役割を見誤ることがあります。
たとえば、介護医療院単体では利益が薄く見えても、病院の退院先として機能している場合、法人全体では重要な役割を持っていることがあります。一方で、入所率が低く、加算も取れておらず、借入返済や本部費が重い場合は、法人全体の資金繰りを圧迫している可能性があります。
月次で見える化できる体制が、経営判断に効く
介護医療院の経営判断は、年1回の決算だけでは遅いです。
月次で次のような数字を見える化することで、早めに改善策を打てます。
入所率
空床日数
利用者単価
加算算定状況
人件費率
委託費
借入返済
本部費配賦
月末現預金
数字を毎月見ていれば、赤字になってから慌てるのではなく、早い段階で改善の打ち手を検討できます。
まとめ
介護医療院は、医療と介護の両方を必要とする要介護高齢者のための長期療養・生活施設です。ただし、経営管理の面では、入所率だけで採算を判断するのは危険です。
介護医療院では、利用者単価、加算、人件費率、給食材料費・委託費、改修費、借入返済、本部費配賦まで含めて見る必要があります。
厚労省の調査では、介護医療院の収支差率は低下しており、WAMの資料では赤字施設割合も高いことが示されています。平均値だけを見るのではなく、自法人の数字を月次で確認することが大切です。
シーガルでは、マネーフォワードクラウド会計で部門別の会計データを整え、Bixidを使ってすべてのお客様の経営報告・予実管理を行っています。
介護医療院の経営管理では、病院、介護医療院、老健、在宅クリニック、法人本部を分けて数字を見える化し、部門別損益、KPI、資金繰りを月次で確認することが重要です。
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介護医療院は、入所率だけで採算を判断しにくい事業です。
病院、老健、在宅クリニック、法人本部まで含めて月次で数字を整理することで、採算や資金繰りの見え方が大きく変わります。
「介護医療院の損益を病院本体と分けて見たい」
「入所率は悪くないのに利益が残らない理由を確認したい」
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よくある質問
介護医療院とは何ですか?
介護医療院は、医療と介護の両方を必要とする要介護高齢者のための長期療養・生活施設です。日常的な医学管理や看取りに対応しながら、生活施設としての役割も持ちます。
介護医療院は入所率だけを見ればよいですか?
いいえ。入所率は重要ですが、それだけでは不十分です。利用者単価、加算、人件費率、給食材料費・委託費、改修費、借入返済、本部費配賦まで見る必要があります。
介護医療院の平均的な収支差率はどのくらいですか?
厚労省の令和7年度介護事業経営概況調査では、介護医療院の税引前収支差率は、物価高騰対策関連補助金を含まないベースで、令和5年度決算4.2%、令和6年度決算3.5%と示されています。
介護医療院の赤字施設は多いですか?
WAMの2024年度介護医療院の経営状況では、同一施設比較でⅠ型の赤字施設割合が45.8%、Ⅱ型が50.0%とされています。平均だけでなく、赤字施設割合も見ることが大切です。
シーガルではBixidを使っていますか?
はい。シーガルでは、Bixidを使ってすべてのお客様の経営報告・予実管理を行っています。介護医療院のように部門別損益やKPI管理が重要な事業では、月次で数字を見える化することが大切です。
マネーフォワードクラウド会計も使えますか?
はい。シーガルでは、クラウド会計としてマネーフォワードクラウド会計を導入しています。部門別に会計データを整理し、そのうえでBixidを使って経営報告・予実管理を行う流れを想定しています。
この記事の監修者

税理士法人シーガル
代表社員/
税理士・公認会計士
中込 政博
あずさ監査法人・辻本郷税理士法人を経て、税理士法人シーガルを設立。税金に関する相談はもちろんのこと、公認会計士ですので、医業経営についてもぜひご相談ください!

税理士法人シーガル
代表社員/
税理士・行政書士
遠藤 大樹
医療特化会計事務所・税理士法人山田&パートナーズを経て、税理士法人シーガルを設立。医師・歯科医師に対する税務顧問の他、相続税申告や相続対策・医業承継もお任せください!
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