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JOURNAL

2026.6.16

病院の月次決算を早めるクラウド会計|経理体制の作り方

「試算表が出るのが翌月末、または翌々月になっている」
「レセプト請求額や請求書が揃うまで月次決算を締められない」
「クラウド会計を入れたいが、病院の経理体制にどう組み込めばよいかわからない」

病院規模の医療法人では、このような悩みが起きやすくなります。

月次決算が遅いと、赤字の原因、資金繰りの悪化、借入返済の負担、設備投資の影響に気づくのが遅れます。決算書ができたときには、すでに手を打つタイミングを逃していることもあります。

病院の月次決算を早めるには、単にクラウド会計を導入するだけでは足りません。

医業未収金の概算計上、買掛金・未払金の未着請求管理、銀行・カード明細の連携、証憑回収、給与・社会保険料、借入返済、減価償却まで、月次で処理できる体制を作る必要があります。

この記事では、病院の月次決算を早めるための経理体制を、マネーフォワードクラウド会計の活用も含めて実務目線で解説します。

病院の月次決算が遅いと、経営判断も遅れる

病院の月次決算が遅れると経営判断も遅れるイメージ図

病院の月次決算が遅れると、経営判断も遅れます。

月次決算は、税務申告のためだけに行うものではありません。病院経営では、赤字の原因、資金繰り、借入返済、設備投資、人件費率、材料費率、委託費率などを毎月確認するための土台になります。

試算表が翌月末や翌々月に出ている状態では、経営判断に使うには遅いことがあります。

試算表が遅いと、赤字の原因に気づくのも遅れる

病院の損益が悪化しているとき、その原因は一つとは限りません。

たとえば、次のような要因が考えられます。

  • 病床稼働率が落ちている

  • 入院単価が下がっている

  • 外来患者数が減っている

  • 人件費率が上がっている

  • 医薬品費や診療材料費が増えている

  • 給食・清掃・医事・SPDなどの委託費が増えている

  • 修繕費や保守費が一時的に増えている

試算表が遅いと、これらの原因把握も遅れます。

翌々月になってから前月の赤字原因を見ても、すでに現場の状況が変わっていることがあります。月次決算を早めることで、損益の変化を早く把握し、次の対応を取りやすくなります。

資金繰りの悪化に気づくのも遅れる

病院では、利益が出ていても資金繰りが苦しくなることがあります。

借入返済元本、医療機器の更新、修繕、電子カルテやシステム更新、税金や社会保険料の支払いなどは、損益計算書だけでは見えにくい部分です。

月次決算が遅いと、現預金の下振れや資金不足に気づくのも遅くなります。

資金繰りを確認するには、損益だけでなく、現預金残高、借入返済、設備投資、未払金、医業未収金まで月次で見ていく必要があります。

理事会・金融機関への説明資料も遅れる

病院規模の医療法人では、理事会や金融機関に対して月次の状況を説明する場面があります。

試算表が遅いと、理事会資料や金融機関説明資料も後追いになります。

特に、赤字や資金繰り不安がある場合には、

  • 足元の損益はどうなっているか

  • 現預金はどの程度残っているか

  • 借入返済は重くなっていないか

  • 設備投資や修繕の支払い予定はどうなっているか

  • どの数字を改善すべきか

を早めに説明できる体制が必要です。

病院の月次決算が遅くなる主な原因

病院の月次決算が遅くなる主な原因

病院の月次決算が遅くなる原因は、会計ソフトだけではありません。

多くの場合、院内の資料回収、医業未収金、買掛金・未払金、借入返済、リース、減価償却などの処理ルールが整理されていないことが原因です。

医業未収金の確定を待っている

病院では、医業未収金の確定を待ちすぎると月次決算が遅くなります。

通常、レセプト請求は翌月10日までに行われます。そのため、請求額が確定してから月次決算を締めようとすると、試算表の作成がどうしても遅れやすくなります。

しかし、月次速報の段階では、レセプト請求額が完全に確定する前でも、前月実績、医事システムの速報値、日計表、患者数、入院単価、外来単価などをもとに、医業未収金を概算計上する考え方が現実的です。

もちろん、診療報酬改定、病床機能の変更、季節変動、大きな返戻・査定がある月は注意が必要です。

ただ、毎月大きく変動しない病院であれば、医業未収金を概算計上することで、月次決算のスピードはかなり改善できます。

買掛金・未払金の請求書を待っている

病院では、医薬品費、診療材料費、委託費、保守費、修繕費など、月次決算に必要な請求書が多くなります。

すべての請求書を月次締め後3〜5営業日で集めるのは、現実的にはかなり難しいです。

そのため、月次決算を早くするには、請求書の到着を待つのではなく、次のような資料を使って、未着請求分を概算計上できるルールを作ることが重要です。

  • 納品データ

  • 検収データ

  • 契約額

  • 前月実績

  • 支払予定表

  • 使用量データ

  • 部門や現場からの実績資料

月次決算を早くするとは、すべての請求書を早く集めることではありません。
届いていないが発生している費用を管理することです。

ここを設計できるかどうかで、月次決算のスピードは大きく変わります。

院内の締めルールが決まっていない

経理担当者が資料を待っているだけの状態では、月次決算は早くなりません。

病院では、医事課、総務、経理、看護部、施設管理、現場部門など、月次決算に関係する部署が多くなります。

次のようなルールが決まっていないと、毎月の締め作業が遅れます。

  • 医事課からの速報値はいつ出るか

  • 請求書は誰がいつ回収するか

  • 現場で止まっている請求書をどう回収するか

  • 給与・社会保険料資料はいつ確定するか

  • 借入返済やリース資料は誰が確認するか

  • 設備投資や修繕の資料は誰が経理へ共有するか

  • 顧問税理士にいつ資料を渡すか

クラウド会計を入れても、院内の締めルールが決まっていなければ、月次決算は早くなりません。

借入返済・リース・減価償却が月次で反映されていない

病院では、借入、リース、医療機器、建物附属設備が多くなります。

これらを年次決算でしか反映していないと、月次試算表が経営判断に使いにくくなります。

特に確認したいのは、次のような項目です。

  • 借入返済元本

  • 支払利息

  • 医療機器リース料

  • 車両リース料

  • 電子カルテ関連費用

  • 減価償却費

  • 前払費用

  • 未払費用

月次決算を経営判断に使うなら、借入返済、リース、減価償却、前払費用、未払費用を月次で反映する体制が必要です。

月次決算を早めるポイントは「確定待ち」ではなく「概算計上」

病院の月次決算における速報値と確定値の違い

病院の月次決算では、すべての数字が完全に確定してから締めようとすると遅くなります。

月次決算の目的は、年次決算や税務申告の数字を確定させることではありません。
毎月の経営判断に使える数字を、一定の精度で早く出すことです。

そのためには、「確定資料が揃うまで待つ」という発想から、「速報値を作り、必要に応じて確定値で確認する」という発想に変える必要があります。

月次決算には「速報値」と「確定値」がある

病院の月次決算では、速報値と確定値を分けて考えると実務が回しやすくなります。

区分

目的

主な内容

月次速報

経営判断に早く使う

医業収入・未払金を概算計上

月次確定

数字の精度を高める

請求書・レセプト確定額を反映

年次決算

税務申告・決算確定

年次調整・税務調整を反映

すべての請求書やレセプト確定を待っていると、月次決算は遅くなります。

一方で、速報値として一定の精度の数字を早く出せれば、理事長・事務長は早い段階で経営状況を確認できます。

医業未収金は速報値で概算計上する

病院の医業未収金を概算計上する流れ

医業未収金は、月次決算を早めるうえで重要な項目です。

レセプト請求額が確定してから月次を締めるのではなく、月次速報では、前月実績や医事システムの速報値などをもとに概算計上する運用が現実的です。

概算方法としては、次のようなものがあります。

概算方法

内容

前月実績

大きな変動が少ない場合に使いやすい

医事システム速報値

入院・外来の実績を早めに把握する

日計表

月中の診療実績を集計する

患者数×単価

入院患者数・外来患者数と単価で概算する

病棟・診療科別実績

大きな変動がある場合に補正する

医業未収金の概算計上では、細かい1円単位の正確性よりも、経営判断に使えるスピードと一定の精度が重要です。

大きな変動がある月は注意が必要ですが、毎月の傾向が大きく変わらない病院であれば、医業未収金を概算計上することで、月次決算の締めを早めることができます。

買掛金・未払金は未着請求リストで管理する

病院の買掛金と未払金を未着請求リストで管理する方法

買掛金・未払金は、請求書が届いたものだけを処理していると、月次決算が遅れます。

特に病院では、医薬品費、診療材料費、委託費、保守費、修繕費など、請求書の数も金額も多くなりやすいです。

そこで必要になるのが、未着請求リストです。

取引先

内容

通常月額

当月見込

請求書到着

処理方法

A医薬品卸

医薬品

2,000万円

2,100万円

未着

納品データで計上

B清掃会社

清掃委託

300万円

300万円

未着

契約額で計上

Cシステム会社

電子カルテ保守

120万円

120万円

到着済

請求書で計上

D設備会社

修繕費

不定期

500万円

未着

個別確認

未着請求リストを作ることで、請求書が届いていない費用も把握できます。

取引先に請求書を早く出してもらう依頼も有効ですが、それだけでは限界があります。納品データ、契約額、前月実績、支払予定表を使って、未着請求を管理できる体制を作ることが重要です。

費用ごとに概算計上の方法を変える

買掛金・未払金の概算計上は、すべて同じ方法で行うわけではありません。

費用の性質に応じて、概算計上の方法を分けることが大切です。

費用

概算計上の方法

医薬品費

納品データ・検収データで計上

診療材料費

SPDデータ・納品書・検収一覧で計上

清掃委託費

契約額で未払計上

電子カルテ保守料

契約額で未払計上

水道光熱費

前月実績・前年同月・メーター値で概算

給食委託費

食数・契約単価・前月実績で概算

修繕費

金額が大きいものは個別確認

毎月固定的に発生する費用は、契約額や支払予定表をもとに処理できます。
一方で、医薬品費や診療材料費のように変動するものは、納品データや検収データを活用します。

このように費用ごとに概算方法を決めておくことで、請求書の到着を待たずに月次決算を進めやすくなります。

マネーフォワードクラウド会計は、月次決算を早めるための土台

マネーフォワードクラウド会計で病院の月次決算を早める流れ

病院の月次決算を早めるには、クラウド会計の活用も有効です。

ただし、クラウド会計はあくまで道具です。
マネーフォワードクラウド会計を導入しただけで、月次決算が自動的に早くなるわけではありません。

医業未収金の概算計上、未着請求リスト、締めスケジュール、自動仕訳ルール、証憑回収まで含めて運用を設計することで、はじめて月次決算のスピード改善につながります。

クラウド会計を入れるだけでは早くならない

クラウド会計は、月次決算を早くするための道具です。

ただし、次のような運用ルールがなければ、導入しても効果は限定的です。

  • 医業未収金をどう概算計上するか

  • 買掛金・未払金をどう未着請求管理するか

  • 銀行・カード明細をどう連携するか

  • 自動仕訳ルールをどう設計するか

  • 証憑をどう回収するか

  • 月次締めを誰が管理するか

  • 顧問税理士がどこまで確認するか

つまり、クラウド会計を入れることよりも、クラウド会計を使って月次決算が回る体制を作ることが重要です。

定型取引は自動仕訳ルールで効率化する

マネーフォワードクラウド会計では、連携サービスから取得した取引明細をもとに自動で作成された仕訳候補を仕訳として登録できます。また、自動仕訳ルールにより、取得した取引明細にあらかじめ設定した任意のルールを適用して仕訳を作成できます。

病院では、たとえば次のような定型取引の処理効率化に使いやすいです。

  • 銀行入出金

  • 法人カード

  • 定額の保守料

  • リース料

  • システム利用料

  • 通信費

  • 水道光熱費

  • 定額委託費

ただし、病院では同じ取引先でも内容が異なることがあります。

同じ業者でも、医薬品、診療材料、保守費、修繕費が混ざることがあります。
そのため、すべてを自動化するのではなく、定型取引は自動化し、判断が必要な取引は確認対象に残すことが大切です。

証憑を残して、後から確認できる会計データにする

マネーフォワードクラウド会計では、仕訳候補に証憑データを添付できます。証憑データを添付しておくと、仕訳候補の画面から証憑を確認できます。

病院では、後から確認したい資料が多くあります。

  • 請求書

  • 領収書

  • 契約書

  • リース明細

  • 保守契約

  • 借入返済予定

  • 補助金通知

  • 修繕見積書

証憑が会計データに紐づいていれば、経理担当者、事務長、顧問税理士が同じ資料を確認しやすくなります。

月次決算を早くするには、入力を早くするだけでなく、後から確認できる状態にしておくことも重要です。

シーガルでは医業収入8億円〜20億円弱の医療法人にも複数導入しています

シーガルのマネーフォワードクラウド会計を前提にした病院の月次管理の流れ

シーガルでは、月次決算を早めたい病院・医療法人に対して、マネーフォワードクラウド会計を前提とした経理体制の整備を行っています。

これは、すべての顧問先に一律で同じ運用を当てはめるという意味ではありません。
法人の規模、経理担当者の体制、資料回収の状況、理事会や金融機関への報告頻度に応じて、月次決算をどこまで早めるべきか、どの数字を速報値として出すべきかを整理します。

実際に、シーガルでは医業収入8億円〜20億円弱の大規模医療法人に対しても、マネーフォワードクラウド会計を複数導入し、月次決算の早期化や経営管理に活用しています。

ただし、会計ソフトを導入するだけで月次決算が早くなるわけではありません。

病院の月次決算を早めるには、次のような実務設計まで含めて整える必要があります。

  • 医業未収金をどの資料で概算計上するか

  • 買掛金・未払金の未着請求をどのように管理するか

  • 銀行・カード明細をどこまで連携するか

  • 自動仕訳ルールをどの範囲で設定するか

  • 請求書や契約書などの証憑をどのように回収するか

  • 月次締めスケジュールを誰が管理するか

  • 顧問税理士がどのタイミングで確認するか

  • 月次速報と月次確定をどのように分けるか

マネーフォワードクラウド会計は、月次決算を早めるための土台になります。
ただし、大切なのは、その土台の上に、病院ごとの経理体制に合った運用ルールを作ることです。

シーガルでは、会計ソフトの導入だけでなく、月次決算を早めるための資料回収、概算計上、未着請求管理、月次確認の流れまで含めて、病院・医療法人の経理体制を整えています。

また、シーガルの月次報告ではBixidも活用し、試算表だけでは見えにくい損益、資金繰り、借入返済、KPIをわかりやすく整理しています。

Bixidは、月次報告レポート、経営計画、資金繰り、借入金管理、KPIなどの機能があり、経営数値を見やすく整理する場面で使いやすい経営支援クラウドです。

病院の月次決算を早める7つの実務

病院の月次決算を早める7つの実務

病院の月次決算を早めるには、運用を具体的に決める必要があります。

ここでは、実務上押さえておきたい7つのポイントを整理します。

1. 月次締めのスケジュールを決める

まず、月次締めのスケジュールを決めます。

「資料が揃ったら処理する」ではなく、誰が、いつ、何を出すのかを決めることが重要です。

営業日

作業内容

担当

1〜2営業日

銀行・カード明細の確認

経理

3営業日

医業収入・医業未収金の概算計上

医事課・経理

4営業日

買掛金・未払金の概算計上

経理

5営業日

給与・社保・借入返済の反映

経理

6営業日

減価償却・前払費用・未払費用の確認

経理・税理士

7営業日

試算表・資金繰りの一次確認

事務長

8〜10営業日

月次報告・経営確認

理事長・事務長・税理士

ここで大切なのは、3〜5営業日で完全確定させることではありません。

まずは、経営判断に使える速報値を早めに出すことです。
その後、請求書やレセプト確定額を反映して、必要に応じて月次確定値を確認します。

2. 医業未収金を概算計上する

医業未収金は、レセプト請求額の確定を待っていると月次決算が遅れます。

そのため、月次速報では、前月実績、医事システム速報値、日計表、患者数、単価などを使って概算計上します。

特に大きな変動がない月であれば、概算計上でも月次の経営判断には十分使えるケースがあります。

ただし、次のような月は注意が必要です。

  • 診療報酬改定があった月

  • 病床機能を変更した月

  • 大きな季節変動がある月

  • 大きな返戻・査定が見込まれる月

  • 入院患者数や外来患者数が大きく変動した月

このような月は、医事課と経理が連携して、概算額の妥当性を確認する必要があります。

3. 買掛金・未払金の未着請求リストを作る

買掛金・未払金は、請求書が届いたものだけを処理していると、月次決算が遅れます。

そこで、未着請求リストを作ります。

特に、医薬品費、診療材料費、委託費、保守費、修繕費など、金額が大きい取引先については、請求書が未着でも当月見込額を把握できるようにしておくことが重要です。

未着請求リストでは、次のような項目を管理します。

項目

内容

取引先

どの取引先か

内容

医薬品、委託費、保守料など

通常月額

通常どのくらい発生するか

当月見込

当月にいくら見込むか

請求書到着

到着済みか未着か

処理方法

納品データ、契約額、前月実績など

このリストがあると、届いていない請求書も月次で管理できます。

4. 銀行・カード明細を連携する

銀行・カード明細を連携すると、定型取引の入力を効率化できます。

病院では、毎月同じように発生する支払いが多くあります。

  • リース料

  • 保守料

  • システム利用料

  • 通信費

  • 水道光熱費

  • 定額委託費

  • 借入返済

  • 顧問料

こういった取引は、銀行・カード明細の連携と自動仕訳ルールを活用することで、手入力を減らせます。

ただし、明細の内容だけでは判断できない取引もあります。
そのため、定型取引は自動化し、判断が必要な取引は確認対象に残す運用が大切です。

5. 給与・社会保険料・借入返済を毎月反映する

給与、社会保険料、借入返済は、月次決算で必ず反映したい項目です。

特に借入返済は、損益計算書だけでは見えにくい部分です。

借入返済には、元本返済と支払利息があります。
支払利息は費用になりますが、元本返済は損益計算書の費用にはなりません。

そのため、月次で資金繰りを見るには、借入返済元本と支払利息を分けて管理する必要があります。

給与・社会保険料・借入返済を月次で反映することで、試算表と資金繰りをつなげて確認しやすくなります。

6. 減価償却・前払費用・未払費用を月次で入れる

病院では、医療機器、建物附属設備、電子カルテ、空調設備など、固定資産が多くなります。

減価償却費を年次決算でしか反映していないと、月次の利益が実態より良く見えたり、月によって大きくブレたりすることがあります。

月次決算を経営判断に使うなら、減価償却費も月次で概算反映する方がよいです。

また、前払費用や未払費用も月次で整理することで、毎月の損益を比較しやすくなります。

7. 月次速報と月次確定を分ける

病院の月次決算を早めるには、月次速報と月次確定を分ける考え方が有効です。

区分

目的

内容

月次速報

経営判断に早く使う

概算計上を含めた速報値

月次確定

数字の精度を高める

請求書・レセプト確定額を反映

年次決算

税務申告・決算確定

年次調整・税務調整を反映

月次決算を早くするというのは、すべての数字を早く確定させることではありません。

まず経営判断に使える速報値を出し、その後、必要に応じて確定値との差を確認する。
この運用にすることで、スピードと精度のバランスを取りやすくなります。

マネーフォワードクラウド会計を使っても月次決算が早くならないケース

クラウド会計を入れても病院の月次決算が早くならないケース

マネーフォワードクラウド会計は便利な会計ソフトです。

しかし、導入しただけで月次決算が早くなるわけではありません。

次のような状態では、クラウド会計を使っても月次決算は遅れます。

  • 医業未収金の概算計上ルールがない

  • 買掛金・未払金の未着請求リストがない

  • 自動仕訳ルールが整理されていない

  • 証憑回収が遅い

  • 経理担当者だけが処理を抱えている

  • 月次締めスケジュールが決まっていない

  • 顧問税理士が月次決算の運用設計に関与していない

  • 試算表を作っても、誰も見て判断していない

クラウド会計は、月次決算を早くするための道具です。
道具を入れるだけではなく、医業未収金、未着請求、締めスケジュール、月次速報と確定値の運用まで含めた設計が必要です。

月次決算を早くすると、病院経営で何が変わるか

月次決算を早くすると、病院経営で見えるものが変わります。

試算表が早く出るだけでなく、赤字原因、資金繰り、借入返済、設備投資の影響を早く確認できます。

赤字原因に早く気づける

月次決算が早いと、赤字の原因を早く把握できます。

人件費率、材料費率、委託費率、修繕費、保守費などの変化を早めに確認できれば、翌月以降の対応を検討しやすくなります。

資金繰りの下振れに早く気づける

月次決算が早いと、資金繰りの下振れにも早く気づけます。

利益が出ていても、借入返済や設備投資で現預金が減ることがあります。
月次で数字を見ていれば、資金不足の兆候を早めに把握できます。

理事会・金融機関への説明がしやすくなる

月次決算が早いと、理事会や金融機関への説明資料も整いやすくなります。

赤字の原因、資金繰り、借入返済、設備投資の状況を月次で整理できていれば、説明も後追いになりません。

数字を使って次のアクションを決めやすくなる

月次決算は、試算表を作ることがゴールではありません。

数字を見て、次に何をするかを決めることが目的です。

  • 人件費率が上がっているなら、配置や残業を確認する

  • 材料費率が上がっているなら、医薬品費や診療材料費を確認する

  • 委託費が増えているなら、契約内容や追加業務を確認する

  • 現預金が減っているなら、借入返済や設備投資を確認する

月次決算を早くすることで、数字を見てから動くまでの時間を短くできます。

病院の月次決算を早くしたい方へ

病院の月次決算を早くするには、会計ソフトを入れるだけでは足りません。

医業未収金の概算計上、買掛金・未払金の未着請求管理、銀行・カード明細の連携、給与・社会保険料、借入返済、減価償却まで、月次で処理できる体制を整える必要があります。

「試算表が出るのが遅い」
「医業未収金や未払金の処理で締めが遅れる」
「マネーフォワードクラウド会計を導入したい」
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このようなお悩みがある理事長先生・事務長の方は、まずは無料の初回面談をご利用ください。

税理士法人シーガルでは、マネーフォワードクラウド会計を前提に、病院・医療法人の月次決算体制を整えています。必要に応じてBixidも活用し、損益、資金繰り、借入返済、KPIを毎月確認できる状態を作ります。

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この記事の監修者

中込 政博

税理士法人シーガル

代表社員/

税理士・公認会計士

中込 政博

あずさ監査法人・辻本郷税理士法人を経て、税理士法人シーガルを設立。税金に関する相談はもちろんのこと、公認会計士ですので、医業経営についてもぜひご相談ください!

遠藤 大樹

税理士法人シーガル

代表社員/

税理士・行政書士

遠藤 大樹

医療特化会計事務所・税理士法人山田&パートナーズを経て、税理士法人シーガルを設立。医師・歯科医師に対する税務顧問の他、相続税申告や相続対策・医業承継もお任せください!

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