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JOURNAL

2024.1.31

【医療法人専門税理士】医療法人化(医療法人設立)手続の流れとポイント

茅ヶ崎駅から徒歩4分の個人開業医・医療法人専門の税理士法人シーガルです。

すぐに医療法人化をしたい!とお問い合わせいただくケースが増えてきておりますが、実は医療法人はすぐに設立できるものではございません。

医療法人を設立するのには都道府県知事の認可が必要であり、認可を受けるためには色々な手続きを踏む必要がございます。

そこで今回は医療法人化の手続きとポイントを解説していきます。

この記事は次の方にオススメです。

・すぐ医療法人化したいと考えている医師・歯科医師の方

・医療法人化をするために必要な手続きや期間を知りたい医師・歯科医師の方

医療法人化とは

医療法人の定義

医療法人の定義は医療法第39条に以下のように規定されています。

医療法第39条
1項:病院、医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人保健施設又は介護医療院を開設しようとする社団又は財団は、この法律の規定により、これを法人とすることができる。
2項:前項の規定による法人は、医療法人と称する。

株式会社の設立には事前の認可は必要ありませんが、医療法人の設立には都道府県知事の認可が必要となります。

医療法人制度は「医療事業の経営主体に法人格を認めることで、資金調達を容易にし、医療機関に経営の永続性を与えること」を趣旨として昭和25年の改正により創設されました。

医療法人化のメリット・デメリット

メリット

  • 税率差による税負担の軽減

  • 親族への所得分散

  • 役員退職金の活用

  • 法人契約の生命保険の活用

  • 社会保険診療にかかる源泉徴収がされないことによる資金繰りの改善

  • 分院の開設が可能

  • 附帯業務の開始が可能

  • 相続による資産の分散の防止

  • 相続時の手続きが簡素化される

  • 対外的な信用力の向上

デメリット

  1. 医療法人設立手続きが煩雑
    (誰かに依頼する場合にはコストがかかる)

  2. 資金の融通が効きづらい

  3. 社会保険の強制加入

  4. 医師国保・歯科医師国保への新規加入が出来なくなる

  5. 役員報酬が定額となる

  6. 個人所得の減少

  7. 毎年、都道府県への行政手続きが必要

  8. 毎年、法務局への登記手続きが必要

  9. 事業報告書等の第三者への開示

  10. 解散時の残余財産が国に帰属

詳細は「【医療専門税理士が徹底解説】医療法人化のメリット・デメリット20選」にて解説しておりますのでご興味がありましたら、ご確認ください。

医療法人化手続きの流れ

医療法人化手続きの全体感

医療法人化手続きの全体感は以下の図のとおりです。

①医療法人設立説明会から⑩保険医療機関指定申請までは通常9ヶ月程度かかります。

①~⑩の詳しい内容については以下でご説明いたします。

医療法人設立前

①医療法人設立説明会

都道府県によって医療法人設立説明会が設けられております。

記事執筆時点においては東京都および神奈川県は医療法人設立説明会が設けられておりません。

医療法人設立説明会が設けられている都道府県においても、医療法人設立説明会の参加が必須(参加しないと②医療法人設立認可申請に進めない)の場合や、任意の場合があります。

②医療法人設立認可申請(仮申請・事前審査)

医療法人設立手続きの中で一番大変な手続きが医療法人設立認可申請(仮申請・事前審査)です。

事前に作成した設立認可申請書のほか、定款や財産目録、役員名簿、役員の履歴書、医療法人設立総会議事録など、非常に多岐に渡る資料を提出しいたします。

仮申請(神奈川県では素案といいます。)の受付期間は都道府県によって異なっています。

受付回数については都道府県によって異なりますが、年2~3回しかありませんのでスケジュール管理が極めて大切です。

例えば、神奈川県であれば5月と8月頃の年2回、東京都であれば3月と8月頃の年2回ですが、千葉県であれば4月、8月、11月の年3回となっております。

仮申請という名称につられ、少し不備がある中で書類を提出してしまうと、最悪の場合には仮申請自体を受け付けてもらえない都道府県もありますので、注意が必要です。

③医療法人設立認可申請(本申請)

医療法人設立認可申請の仮申請・事前審査が終われば、本申請に入ることができます。

仮申請・事前審査で完成した書類に捺印し、提出するのみです。

④医療審議会

医療法人設立認可申請の本申請で受付されたあと、医療審議会の調査審議を受けることになります。

医療審議会は諮問機関という意見を述べる機関です。

そのため、医療審議会において実質的な審議が行われることはなく、本申請にて提出した書類に嘘や偽りが無い限り認可されます。

⑤医療法人設立認可申請書交付

都道府県知事により認可を受け、医療法人設立認可書が交付されます。

医療法人設立

⑥医療法人の設立登記

医療法人設立に必要な手続きが終了したときから2週間以内に法務局へ登記申請を行います。

なお、医療法人の設立日として記載されるのは、登記申請を行った日になります。

医療法人設立後

⑦医院の開設許可申請

⑥医療法人の設立登記を行ってすぐに事業をスタートできる訳ではなく、管轄の保健所に医院の開設許可申請を行う必要があります。

保健所の実地検査が行われる場合もありますので、申請前後で連絡を取ることをオススメいたします。

⑧医療法人としての事業スタート

このような手続きを踏んで、やっと医療法人としての事業をスタート(開設)できます。

⑨医院の開設届

医院を開設したあと10日以内に管轄の保健所に医院の開設届を提出する必要があります。

また、もし個人開業医の方が医療法人化をした場合であれば、開設届の提出と併せて個人医院の廃止届の提出も必要です。

⑩保険医療機関指定申請

⑨にて提出した開設届の写しを添付し、保険医療機関指定申請を行います。

保険医療機関指定申請を行わなければ、医院で保険診療を行うことができません。

ただ、実務上、個人開業医から医療法人化をする場合、保険医療機関指定を受ける前に保険診療を開始します。

どうしてそのようなことが認められているかというと、医院の開設者を個人から法人に変更する場合には申請日ではなく開設日に遡って保険医療機関の指定を受けることが可能になるからです。(一般的にいわれる遡及申請です。)

また、もし個人開業医の方が医療法人化をした場合であれば、個人医院の保険医療機関廃止手続も必要です。

医療法人設立認可申請に必要な書類とポイント

医療法人の設立認可申請にあたって必要な資料

医療法人の設立認可申請にあたって必要な資料は以下のとおりです。

これだけでもかなりの量があることがおわかり頂けると思います。

実際に申請を行ったあとには都道府県から追加の提出資料を求められるケースがほとんどですので、ここに記載している書類以外にも提出しなければならない書類が出てきます。

医療法人の設立認可申請のポイント

医療法人名は変更しないか

医療法人名は設立認可申請書類の至る所に記載しておりますので、仮に変更しようとするとほぼ全ての書類の作り直しが必要になります。

また、医療法人名は同一都道府県内に全く同じ名称が無いか、認可を受けることができる医療法人名であるかは事前に確認することをオススメします。

管理者=理事になることを説明しているか

医療法人の場合には、医院の管理者は理事として役員に就任しなければなりません。

医療法人設立認可申請の際に管理者就任予定として記載していた方に、事前に理事にも就任することが必要と説明しておらず、本来予定していた申請期限に間に合わず延期となったケースが実際にあります。

そのため、管理者就任予定の方には理事になることを事前に説明しておくことが必要です。

理事、監事の人数および就任できる人の要件は満たしているか

医療法人は、役員として理事3人以上及び監事1人以上を置くことが必要です。

また、監事は監督機関としての役割があることから客観的に監督できる者の就任が必要です。

具体的には監事はその医療法人の理事や職員を兼務することはできず、他の役員と親族や特殊の関係である者でないことが求められています。

理事および監事の違いについては「【理解できていますか?】医療法人の社員・理事・監事の役割と違い~何となく就任させてませんか?~」にて解説しておりますのでご興味がありましたら、ご確認ください。

賃貸契約書や借入金の引き継ぎの承諾はもらえるか

個人開業医時代に契約を結んだ賃貸契約書や借入金は医療法人に引き継ぐことになると思いますが、相手先が大手企業の場合には、引き継ぎのための承諾を貰えるまでに時間がかかる可能性が高いです。

すぐ承諾を貰えるものと安易に考えてしまい、後回しになっているケースが多いため、注意が必要です。

まとめ

医療法人化は設立認可申請の仮申請までの準備が一番大変です。

とある個人開業医の方は「自分でやってみようと思ったが、思ったよりも大変でとても自分一人ではできなかった」と言っておりました。

私たち、医療専門の税理士法人シーガルは、医療法人設立ついても得意としております。

仮申請までは一般的には4ヶ月程度の期間がかかるといわれていますが、私たちでは最短1ヶ月での申請実績もございます。

また、私たちなら医療法人設立後、医療法人の会計税務顧問も対応できますので、将来に渡ってサポートすることが可能です。

ご興味をもっていただけましたら、ぜひご相談ください。

この記事では、医療法人化(医療法人設立)手続の流れとポイントに焦点を当てて解説しました。しかし、クリニックの節税対策には、他にも役員報酬の見直し設備投資の活用など、多岐にわたる選択肢が存在します。

これらの対策を単体で実行するのではなく、自院の経営状況に合わせて組み合わせることが、手元に残るお金を最大化するための鍵となります。

クリニックの節税対策の全体像を知りたい方は、「【開業医・医療法人専門税理士解説】クリニック経営者のための節税対策」をご覧ください。

この記事の監修者

中込 政博

税理士法人シーガル

代表社員/

税理士・公認会計士

中込 政博

あずさ監査法人・辻本郷税理士法人を経て、税理士法人シーガルを設立。税金に関する相談はもちろんのこと、公認会計士ですので、医業経営についてもぜひご相談ください!

遠藤 大樹

税理士法人シーガル

代表社員/

税理士・行政書士

遠藤 大樹

医療特化会計事務所・税理士法人山田&パートナーズを経て、税理士法人シーガルを設立。医師・歯科医師に対する税務顧問の他、相続税申告や相続対策・医業承継もお任せください!

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